
物語は一昨年(2019年)の12月にさかのぼります。
その年、女性様への誕生日プレゼントに歳の数だけ薔薇の花束を贈られた男性様。
1本だけ深紅の薔薇を添えて・・・。
深紅の薔薇には「素敵な一年になりますように。」と特別な願いを込められたそう。

そして、昨年ご来店された男性様。
「今年の誕生日には、同じコンセプトで片耳のピアスにしてプレゼントしたい。
昨年の花束のようにサーモンピンクの中に赤が浮かび上がるようなイメージで表現できないでしょうか。」
というご相談でした。
石の研磨職人に相談し、ピンクシェルなど様々な素材で試作した結果、イメージのカラーに近いのがサンゴでした。
こちらが研磨前の2色のサンゴ。

お打ち合わせを重ねる中で、
2色のサンゴを貼り合わせ、ピンクの石に女性様のイニシャルの「C」を貫通させ、
後ろ側の赤のサンゴが見えるよう「職人泣かせ!」な構造にチャレンジすることに。

当初は耳の上に直接着けるデザインでしたが、
光を後ろから透過させると赤の見え方や表情が変わり、魅力的になるのではと、
耳たぶの下にくるように試行錯誤し、このようなデザインに辿りつきました。
女性らしく角をとった8角形の優しい雰囲気のゴールドピアスにお仕立てしました。
お渡し当日、1階カフェで待ち合わせた女性様にサプライズでプレゼント。
素敵な笑顔とともに、華やかな雰囲気の女性様の耳たぶの下にピタリとおさまった深紅とサーモンピンクのカラーがとてもお似合いでした。

ジュエリーは、スペシャルでロマンティック。
大切な方の思いがたくさんつまったオーダーメイドジュエリー。
小さな世界ですが、大きくて深い幸せに包まれるようなジュエリーを作りたい。と思っています。
今年もお手伝いさせていただけましたら幸いです。
みなさまにとっても「素敵な一年になりますように。」
デザイナー
橋本 志織