デザイナーの橋本です。
年末年始に訪れたフランス「アートと建築の旅」。
ニースに滞在して南仏の街々を歩いた旅前半の最後の目的地は、海岸沿いの「アンティーブ」です。
南仏でパブロ・ピカソの作品が展示されている場所は、ヴァロリスの国立ピカソ美術館と、アンティーブ・ピカソ美術館があります。
−アートと建築の旅B− フランス【国立ピカソ美術館・陶器美術館 / ヴァロリス】

アンティーブでは、巨匠・ピカソの作品に触れることの他に、私にとって大きな目的がありました。
私は高校から本格的に油絵を学び始めましたが、その頃に出会った「ニコラ・ド・スタール(1914-1955)」のモダンで洗練された世界観に大きな影響を受け、その後も最も好きな画家のひとりとして想い続けてきました。
アンティーブはロシア生まれのド・スタールが晩年を過ごした場所で、彼の貴重な作品がピカソ美術館に展示されているからです。

私の宝物のド・スタールの画集
港町アンティーブは、コート・ダジュール海岸線の城壁に囲まれた美しい街で、海を見下ろす静かな場所にピカソ美術館があります。
古代ギリシャ時代にその土台が作られたと言われ、17世紀にグリマルディ家が城砦として建造した建物が現在の美術館になっており、とても歴史を感じます。

美術館に入り、中庭に出てみると・・・

地中海の穏やかで美しい眺望がパノラマで広がります。

1946年(ヴァロリスで陶芸を始めたころ)、ピカソはこの建物の最上階の海側の部屋を2ヶ月間アトリエにし意欲的に制作しました。今ではアトリエの面影はありませんが、同じ最上階で当時制作されたピカソの貴重な作品を見ることが出来ます。

「ライムのある静物画、2匹の魚とウツボ 灰色の背景に」 1946

「遊ぶ母親と子供たち」 1951
ヴァロリスで制作されたお皿の陶芸作品もありました。

今回、残念ながらド・スタールの展示は見ることが出来ませんでした。
訪れる前からパリでド・スタールの回顧展があることは知っていたのですが、アンティーブで一枚も見られないとは・・・。
念願の出逢いは、旅の後半・パリ訪問へ持ち越しとなりました。
海岸線の先にあるド・スタールのアトリエは、画家への想いが強すぎて訪れることが出来ませんでしたが、記念にアンティーブを描いた作品のポスターを購入。(帰国後、額装しました。)

「アンティーブの城砦 」 1955
夕暮れが近づき、もう一度中庭へ。
ピカソやド・スタールが見た眺めと同じであろう景色を、閉館まで時間の許すかぎりただただ見ていました。
青い海と空、豊かな自然、温暖な気候、光と色彩が織りなす鮮やかでありながら穏やかで優しい時間。
今も若い芸術家たちを魅了し続ける南仏・アンティーブは特に印象的な街で、再訪したいという想いが募りました。

いよいよ南仏コート・ダジュールを離れ、川と美食の街・リヨンへ向かいます。
<Une petite pause“ちょっとひと休み”>
アンティーブでランチをしたカフェでのひとコマ。
雰囲気のある老夫婦、道行く何人もの若い男性がお父さんに挨拶のハグをしていました。奥様との赤いコーディネートが仲良さそうでとても素敵でした。

コンセプト ジュエリーワークス
デザイナー 橋本志織
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−アートと建築の旅@− フランス【マティス ロザリオ礼拝堂 / ヴァンス】
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