2012年09月01日

ご祖母様の形見の金歯を溶かしてペンダントトップを


心があたたまるオーダーのお話。
(少し長くなりますが、ぜひ読んでください)

ご祖母様のことが大好きだったお客様(お孫様)。
「形見の金歯をそのまま使って、四葉のクローバーのペンダントトップを。」
というご相談でした。

詳しくお聞きすると・・・

ご祖母様のネックレスを譲り受けた時、
トップの部分がなく、
最初は何かを買って着けようと思っていた。

ある日、ご祖母様の遺品の中から「金歯と四葉のクローバーの押し花」
を見つけた時に、「これだぁ!」と。


私たちはスタッフ全員で何とかその想いにお応えしたいと思いました。


金歯は純金の含有量が様々です。

金歯

分析機関に調べてもらい、ある程度高純度の金歯だとわかりましたので、
お客様のご来店日にあわせて溶解しました。

金歯を溶かす

お客様は携帯カメラの動画で撮影されていましたね。

ひとつの塊になった金歯

そして、クリエイターと相談して、
「板からつくる刷り出し」ではなく、
たがねと金槌で立体的に成形していく「打ち出し」という技法で制作しました。

打ち出し技法


ヤニ台(松やにを主成分とした熱すると柔らかくなる性質の固形物を盛り付けた台)に
なました(金属の塑性を弛めた)金属をセットして、何種類ものたがねと金槌を使いながら
形づくっていきます。
金属が固くなってきたら、ヤニ台からはずして、再び金属をなまします。
これを何度も何度も繰り返し、押し花になったクローバーをそのまま立体的に復元していきます。

_丸山様4--3 350250.jpg

クリエイターは、お客様の想いを考え、
金属の粉が出ない打ち出し技法を選び、溶かした金歯に何の金属も混ぜることをせず、
そして、クローバーの茎と裏側のパーツを含めて、
溶かした金歯を全てあますことなく使って制作しました。

打ち出しによるペンダントトップ

後日、お客様からお手紙をいただきました。
少しだけ紹介させていただきます。

「出来上がりも想像以上で、職人の方がリアル感を出すために、
実際にクローバーを摘んできてくださったと聞き、本当にうれしかったです。
あたたかくて、祖母を近くで感じられる、世界でひとつしかない素晴らしい
ネックレスになりました。」

お客様からの手紙


お手伝いさせていただいて、本当に良かったと心から思いました。








posted by CONCEPT JEWELRY WORKS at 15:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【order PENDANT】
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